グーグル・クラウド、Vera Rubin搭載A5Xを11月に一般提供
グーグル・クラウドは10月21日、GTC Berlinでエヌビディアのベラ・ルービン(Vera Rubin NVL72)を搭載したA5Xインスタンスを11月に一般提供すると発表した。Virgoネットワークは1拠点8万基、複数拠点で最大96万基のGPUを想定する設計で、G4 GPUのコンフィデンシャル・コンピューティングも36ゾーンで一般提供を始めた。
グーグル・クラウドは10月21日(現地時間)、独ベルリンで開かれたエヌビディアの年次会議「GTC Berlin」で、エヌビディアのVera Rubin NVL72を搭載したベアメタルインスタンス「A5X」を11月に一般提供(GA)すると発表した。A5Xを支えるグーグルのネットワーク「Virgo」は、1拠点でRubin GPU 8万基、複数拠点で最大96万基を接続できる設計である。最初の顧客は、囲碁AI「AlphaGo」の開発者デービッド・シルバー氏が創業した英ロンドンのIneffable Intelligenceだ。海外メディアConverge Digestも10月25日に報じた。

ポイント
- エヌビディアVera Rubin NVL72ベースのグーグル・クラウドA5Xが2026年11月に一般提供となり、欧州・中東・アフリカ(EMEA)に新リージョンも設ける。
- Virgoの1拠点8万基・複数拠点96万基は設計上の上限であり、提供開始時の実際の台数ではない。
- G4 GPU仮想マシンのコンフィデンシャル・コンピューティングが36ゾーンで一般提供を開始した。
グーグル・クラウドA5Xの構成
A5Xは、Vera Rubin NVL72ラックにエヌビディアのConnectX-9 SuperNIC、グーグルのVirgoネットワーク、第4世代の液冷技術を組み合わせ、同社の「AI Hypercomputer」に統合したものだ。マーク・ローマイヤー、アンクル・メロトラ両副社長はグーグル・クラウドの公式ブログで、一般提供は「来月」だと述べ、EMEAのデータ主権要件に対応する新リージョンも開設するとした。具体的なリージョン名と価格は明らかにしていない。
ストレージとソフトウエアも強化した。Google Cloud Managed LustreはA5XでエヌビディアのGPUDirect Storageに対応し、CPUを介さずにデータをGPUメモリへ直接送るRDMA経路を設ける。長時間のエージェント処理向けに、文脈データをGPUの広帯域メモリ(HBM)の外へ退避して再利用するKVキャッシュ機能も示した。
Ineffable IntelligenceとWPPの初期利用
エヌビディアのブログによると、Ineffable IntelligenceはA5Xを大規模な強化学習に使っている。シルバーCEOは「われわれは自らの経験を通じて改善し続ける『スーパーラーナー』をつくっている」と語った。
広告大手WPPは、エヌビディアのNemotronモデルとOpenShellを使い、A5X上でクリエーティブ・エージェントの参照アーキテクチャーを構築した。エヌビディアによると、初期テストでは通常は複数ノードのクラスターを要する処理が、A5Xインスタンス1台で動いた。WPPのステファン・プレトリウス最高技術責任者(CTO)は「エージェント型AIの真価は速さだけではない。現代の制作工程の摩擦から人間の創造性を解き放つことにある」と述べた。
G4のコンフィデンシャル・コンピューティングが一般提供
グーグルは、エヌビディアRTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載するG4仮想マシンのコンフィデンシャル・コンピューティングも一般提供した。グーグルの発表によると、同社の推論テストでは通常のG4に比べたスループット低下は3.5%未満だった。顧客のVertebraeは、ハードウエアレベルで会話を保護する代わりに全体の遅延が5.2%増えたとしている。GB300ベースのA4X Max向け「コンフィデンシャル・ベアメタル」も発表したが、提供開始日は示していない。
背景:エヌビディア製ラックと電力の制約
グーグルは自社でTPUを開発する一方、エヌビディア製ハードウエアの大口顧客でもある。Vera Rubin NVL72は9月のMLPerfベンチマークに、一般販売前の「プレビュー」枠でのみ登場した。ハイパースケーラーのGPU発注はすでに数百万基単位に膨らんでいる。両社は、既存データセンターの電力枠の中でワット当たり性能を高めるため、エヌビディアのDSX MaxLPSの導入も検討しているという。
今後の見通し
11月の提供開始で、グーグルがA5Xをどれだけの規模で、どのリージョンで、いくらで提供するかが明らかになる見通しだ。それまでは、96万基という数字は設計上の上限、WPPの結果は企業側が示した初期テストの値と受け止めるべきである。
よくある質問
グーグル・クラウドのA5Xはいつ使えるのか。グーグルは2026年11月に一般提供するとしている。最初の顧客であるIneffable Intelligenceはすでに利用している。
11月にVera Rubin GPUが96万基導入されるのか。そうではない。Virgoが1拠点で8万基、複数拠点で96万基まで拡張できるという設計上の上限である。
コンフィデンシャルG4とは何か。エヌビディアRTX PRO 6000 Blackwell GPUを搭載したG4仮想マシンで、データとモデルの重みをハードウエアで暗号化する。36ゾーンで利用できる。
参考資料
- Google Cloud and NVIDIA expand co-engineering collaboration to scale infrastructure for the agentic era — Google Cloud(2026年10月21日)
- Google Cloud and NVIDIA Announce General Availability of NVIDIA Vera Rubin Infrastructure — NVIDIA Blog(2026年10月21日)
- Confidential G4 GPUs are GA — Google Cloud(2026年10月21日)
- Google Cloud Sets Nov Availability for Vera Rubin A5X — Converge Digest(2026年10月25日)
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