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メタ論文、AMD「MI350X」がエヌビディアB200と互角

米メタの技術者らは10月15日公開の論文で、AMDのGPU「Instinct MI350X」が実運用レコメンドモデル10種の学習でエヌビディアB200比101.2%(幾何平均)の処理量を示したと報告した。4種で上回り6種で下回った。メタでは数万基のMI350Xが学習に使われている。

米メタの技術者らは、AMDのGPU「Instinct MI350X」が同社の実運用レコメンドモデルの学習で、エヌビディアの「B200」とほぼ同じ速度を出したと明らかにした。2026年10月15日にarXivで公開した論文によると、実運用モデル10種での学習処理量は幾何平均でB200基準の101.2%だった。メタではすでに数万基のMI350Xが学習に使われている。AMDは10月27日、メタとの提携拡大を発表した際にこの成果を紹介した。

要点

  • レコメンドモデル10種の平均処理量はB200比101.2%。MI350Xは4種で上回り、6種で下回った。モデル別の結果は82〜130%と幅がある。
  • CUDA向けコードの移植にAIエージェントを活用した。実運用のTritonカーネル数十本に適用し、成功率は80%を超えた。
  • 比較条件はMI350Xが1000W、B200が750Wである。対象はレコメンドモデルで、大規模言語モデルの学習比較ではない。
米カリフォルニア州サンタクララのオーガスティン・ドライブ2485番地にあるガラス張りのオフィスビルと植栽のある入り口
2020年6月に撮影された米カリフォルニア州サンタクララの旧AMD本社ビル。資料写真。사진: Coolcaesar / 위키미디어 공용(CC BY-SA 4.0)

AMD MI350XとエヌビディアB200の性能比較

論文の題名は「ハードウェア多様性のための設計:AMD GPUでの高性能AI学習に向けたメタのエンドツーエンド協調設計」。著者は58人で、ハイパースケーラーがAMD製GPUを大規模学習の実運用に投入した初の報告だとしている。表3ではGPU8〜128基で条件をそろえ、学習処理量を比べた。

メタの実運用モデル別、B200比のMI350X学習処理量(出所:arXiv:2610.22230 表3)
モデルGPU数MI350X / B200
A882%
B8114%
C64121%
D6498%
E6494%
F12892%
G6492%
H6496%
I80102%
J24130%
幾何平均—101.2%

研究チームは成果の要因として3点を挙げた。モデルをそのまま移植せずハードウェアに合わせて構造や学習手順を見直したこと、事前実行なしで行列演算カーネルを選ぶ解析モデル、そしてエージェントによる移植である。これらにより、単純な移植と比べ処理量が最大1.5倍に向上したという。

AIエージェントがCUDAコードをROCmへ移植

論文によると、メタのエージェントはコードをコンパイルし、エラーメッセージを読んで「ビルドが成功するまで」修正を繰り返す。対応するROCmの機能がない場合は、代わりとなる補助コード(シム)も生成する。実運用のTritonカーネル数十本での成功率は80%を超えた。

ある事例では、エージェントが「ジャグド・フラッシュアテンション」の逆伝播カーネルからアトミック演算を取り除くよう書き換えた。実行時間は32ミリ秒から14ミリ秒に縮んだ。このカーネルでMI350XはB200より2倍遅い状態から15〜20%速い状態に転じ、当該モデル全体の学習処理量は25%向上した。

電力とメモリの条件は異なる

メタは同じ空冷プラットフォームでMI350Xを1000W、B200を750Wで動かしており、いずれもメーカーの上限より低い設定だ。エヌビディアの一般的なHGX B200の定格は1000Wである。MI350XのHBM3eメモリは288GBで、B200(180GB)の約1.6倍に当たる。TF32演算をエミュレーションで処理するため、行列演算性能が一部制約されるという課題も残る。

背景:AMDとメタの提携拡大

AMDは10月27日の発表資料で、メタの株式公募に10億ドルを投資すると表明した。ラック規模のシステム「Helios(ヘリオス)」の初期ユニットもメタに設置され、試験中だという。メタはMI450アーキテクチャの初期顧客で、カスタム版のInstinct GPUも導入する。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同資料で「AMDは当社のフロンティアモデルを動かす計算基盤を構築するうえで重要なパートナーだ」と述べた。

論文によれば、AMD製GPUに対応するモデルは資源使用量ベースでメタの実運用モデル種別の60%を超える。メタはエヌビディア製GPUや自社チップ「MTIA」も併用している。

今後の見通し

メタは改良点をPyTorch、Triton、ROCmに反映したとしており、他のROCm利用者にも恩恵が及ぶ可能性がある。AMDは今回の共同作業を次世代「MI500」シリーズの開発にも生かすとした。Heliosの本格展開の時期は「近い将来」とするにとどめた。

よくある質問

メタの試験でAMDはエヌビディアに勝ったのか。

平均では101.2%でほぼ互角だった。MI350Xは10種のうち4種で上回り6種で下回ったほか、1基当たりの消費電力も多かった。

大規模言語モデル(LLM)の学習にも当てはまるのか。

比較表はレコメンドモデルの結果である。メタは2000基超のMI350XクラスターでLLMも学習したとしているが、B200との比較数値は示していない。

参考資料

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チ
チョン・スン
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AI Newswayの編集責任者です。AI、開発ツール、クラウド、生産性テクノロジーの記事を執筆しています。

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