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IBM、AIエージェントにIDとキルスイッチ Vault 2.2提供

米IBMは2026年10月27日、AIエージェントを責任者にひも付け、範囲を限った短期の認証情報を発行・取り消しできる「Agent Identity」と「HashiCorp Vault 2.2」を一般提供した。watsonx Orchestrateには、アマゾン、マイクロソフト、グーグルのクラウド上のエージェントを見つけてキルスイッチで止める機能がプレビューで加わった。

米IBMは2026年10月27日(現地時間)、米アトランタで開いた年次イベント「TechXchange 2026」で、AIエージェントごとに検証済みの身元(ID)、短期間で失効する認証情報、緊急停止機能(キルスイッチ)を与える一連のツールを発表した。エージェントごとの責任者、権限、操作履歴を企業が把握できるようにする狙いだ。

データセンターのサーバーラックの前でノートパソコンを開いて作業する技術者
データセンターでサーバーラックを点検する技術者(資料写真)。사진: Derrick Coetzee from Berkeley, CA, USA / 위키미디어 공용(CC0 1.0)

要点

  • 「Agent Identity」と「HashiCorp Vault 2.2」が一般提供(GA)となった。エージェントを責任者にひも付け、必要な範囲に限った短期の認証情報を発行し、即時に取り消せる。
  • 「watsonx Orchestrate」には、Amazon Bedrock、マイクロソフトのFoundry、グーグルのGeminiで構築したエージェントを見つける「discover」と、サンドボックス隔離とキルスイッチを備えた「contain」が技術プレビューとして加わった。
  • IBMは、2028年までにフォーチュン500企業が平均15万超のエージェントを使う一方、エージェントの統制が十分だと考える組織は13%にとどまるとするガートナーの数字を示した。

AIエージェントのID管理はどう機能するか

IBMの発表資料によると、Agent Identityはエージェントごとに責任者、ライフサイクルの状態、付与された権限を記した基準となる記録を作る。この記録がVaultの認証情報管理と連携し、エージェントは必要な分だけアクセスでき、権限を取り消せばすぐに遮断される。

VaultはIBMがHashiCorp買収で手に入れた機密情報管理ツールである。2.2ではエージェント専用の保護されたアカウントを用意し、認証情報を自動で更新する。IBMによれば、ABN AMRO、アドビ、ブラックロック、ターゲットなどがすでにVaultで人間以外のID(非人間ID)を管理している。

HashiCorpのリリースノートでは、Vault 2.2.0の公開日は10月15日、修正版2.2.1は10月22日である。IBMが掲げる耐量子暗号への対応は、PKIエンジンがML-DSA方式のX.509証明書に対応したことを指す。

watsonx Orchestrateのキルスイッチとエージェント検出

discoverはIBMの基盤だけでなく、他社クラウドで動くエージェントやモデル、MCPサーバーまで洗い出す。containはエージェントをサンドボックスで動かし、管理者が任意のエージェントを停止できるようにする。一般提供済みの「evaluate」は、導入前に品質、正確性、規制順守を検証し、運用中は監視を続け、エージェントごとのモデル費用とトークン費用を集計する。

Agent IdentityとVaultは、エヌビディアの安全な実行環境「OpenShell」とも連携する。エヌビディアのエンタープライズソフトウェア担当バイスプレジデント、ジョン・ファネリ氏は「企業には、エージェントがどう動き、何にアクセスできるかを強制力をもって制御する仕組みが必要だ」と述べた。

背景:エージェント普及の壁は「ID」

HashiCorpは今年前半から下地を整えてきた。5月12日のHashiCorpのブログは、エージェントが人間に代わって動く場面を追跡する登録の仕組みや、権限の上限を定める「シーリング(ceiling)」ポリシーなど「エージェント型IAM」の機能を紹介した。これらは9月のVault 2.1で一般提供になったとしている。

エージェントが想定外の行動に出る懸念も背景にある。IBMソフトウェア担当シニアバイスプレジデントのディネシュ・ニルマル氏は「企業AIの勝者は、AIを上乗せするだけでなく、事業の運営方法そのものを変えている」と語った。

今後の見通し

多くの機能はまだプレビュー段階である。Secure Hub、Terraform Developer Portal、Terraformのリモート MCPサーバー、IBM Z Atlasは公開プレビュー、Integration Intelligence HubとOrchestrateのdiscover・containは技術プレビューだ。IBMはこれらの一般提供時期を明らかにしていない。今年はHashiConfを併催するTechXchangeには、85カ国から6500人近くが参加する見込みである。

よくある質問

今すぐ使える機能は何か。
Vault 2.2、Agent Identity、Orchestrateのevaluate機能、IBM Concert、Terraformのポリシー機能が一般提供されている。

キルスイッチはIBM製のエージェントにしか効かないのか。
IBMはdiscoverがAmazon Bedrock、マイクロソフトのFoundry、グーグルのGeminiで作ったエージェントも見つけると説明する。ただしdiscoverとcontainはまだ技術プレビューである。

Vault 2.2の耐量子暗号対応とは何か。
VaultのPKIエンジンが、格子ベースの電子署名規格ML-DSAの証明書を発行できるようになったことを指す。

参考資料

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チ
チョン・スン
AI Newsway · 開発者

AI Newswayの編集責任者です。AI、開発ツール、クラウド、生産性テクノロジーの記事を執筆しています。

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