オープンなスマホ操作AI「OpenMobile-2」、Android試験でGemini超え
南京大学やセンスタイムなど6機関の研究チームが公開したスマホ操作エージェントOpenMobile-2の27B版が、AndroidWorldで79.9点とGemini 3.1 Pro Preview(70.7点)を上回った。一方、MobileWorldやSPA-Benchでは商用モデルに届かなかった。
中国の南京大学やセンスタイム(商湯科技)など6機関の研究チームが公開したオープンなスマートフォン操作エージェント「OpenMobile-2」が、Android操作ベンチマーク「AndroidWorld」で79.9点を記録した。グーグルのGemini 3.1 Pro Preview(70.7点)を上回る。論文は10月9日にarXivへ投稿され、10月25日に海外メディアThe Decoderが報じたことで注目を集めた。

要点
- 270億パラメーターのOpenMobile-2-27BはAndroidWorldで79.9点となり、ベースモデルQwen3.6-27B(67.1点)とGemini 3.1 Pro Preview(70.7点)を上回った。
- 難度の高い試験では商用モデルに及ばない。MobileWorldは50.4点(GPT-5.6 Solは70.1点)、実機でのSPA-Benchは59.6点(Geminiは70.2点)である。
- 研究チームは110超のアプリからなる訓練環境、学習軌跡1万1600件、検証可能なタスク2000件超、モデル2種を公開したとしている。
OpenMobile-2とはどんなAIエージェントか
OpenMobile-2は、スマホの画面を読み取り、タップや入力を繰り返して作業をこなすエージェント2種である。90億パラメーター版はアリババのQwen3.5-9B、270億パラメーター版はQwen3.6-27Bをベースに、教師あり学習の後に強化学習を施した。
研究チームは「訓練環境とレシピを完全に公開した、最先端に迫るモバイルエージェント」と位置づける。ただし学習用の手本データはクローズドなモデルが作った。Gemini 3.1 Pro Previewがタスクの指示文を書き、「教師」役のエージェントを務めた。
110超のアプリで構成した訓練環境
中核となるのはMobileGym++だ。商用サービスを模して新たに作ったアプリ35本に、Androidエミュレーター上のアプリ62本を組み合わせた。
アプリの種類を増やす効果も大きかった。学習軌跡を2000件に固定したまま対象アプリを15本から53本に増やすと、学習に使っていないAndroidWorldのタスクでの得点が60.7点から67.5点に上がった。
OpenMobile-2のベンチマーク比較
| モデル | AndroidWorld | MobileWorld(GUI) | SPA-Bench L3 |
|---|---|---|---|
| OpenMobile-2-27B | 79.9 | 50.4 | 59.6 |
| OpenMobile-2-9B | 74.0 | 38.5 | 48.9 |
| Gemini 3.1 Pro Preview | 70.7 | 58.1 | 70.2* |
| GPT-5.6 Sol | — | 70.1 | 68.1* |
| Qwen3.6-27B(ベースモデル) | 67.1 | 35.9 | 31.9* |
アスタリスク(*)は研究チームが自ら再現した数値である。いずれも第三者による検証は済んでいない。
画面操作に加えアプリの「ツール呼び出し」も
論文は、アプリが一部機能を呼び出し可能なツールとして提供し、通常の画面操作と併用する「ハイブリッド」方式も試した。50本超のアプリに300超のツールを用意した。ハイブリッド学習後にツールを有効にすると、27B版の成功率は10.3ポイント上がり、1タスク当たりの手順は平均5.8ステップ減った。
評価用のMobileGym++ Benchは、実行後のアプリ内データを調べて採点する215タスクで構成され、うち106タスクは複数アプリをまたぐ。
背景:混み合うスマホエージェント競争
この分野ではMAI-UIやGUI-Owlといった公開モデルがしのぎを削っており、論文もこれらと比較している。Qwenなど中国のオープンウェイトモデルが米国勢を追い上げる流れとも重なる。
今後の焦点
モデルの重みはHugging Faceで公開されているが、論文とプロジェクトページはライセンスを明記していない。プロジェクトページは、土台となった元のMobileGymのデータを非商用条件(CC BY-NC 4.0)と表示している。製品に組み込むなら利用条件の確認が先決だ。
よくある質問
OpenMobile-2はダウンロードできるか
できる。モデルはHugging Face、コードはGitHubで公開されている。ただしライセンスはまだ明記されていない。
GeminiやGPTよりスマホ操作がうまいのか
研究チームの数値では、上回るのはAndroidWorldだけである。MobileWorldと実機のSPA-Benchでは、Gemini 3.1 Pro PreviewとGPT-5.6 Solの方が高い。
参考資料
- OpenMobile-2: Building Versatile Mobile Agents with Scalable Environments and App-Native Tools — arXiv(2026年10月9日)
- OpenMobile-2 project page — OpenMobile-2研究チーム
- OpenMobile-2 proves open-source smartphone agents can rival proprietary models — The Decoder(2026年10月25日)
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