SKテレコム、AIエージェントに社員番号を付与する3条件を公表
韓国のSKテレコムは10月26日、初のAIガバナンスリポートを公表し、社内AIエージェントへの社員番号付与の条件、担当者の指定、実行停止の仕組みを明らかにした。ISO/IEC 42001認証の範囲も社内AIエージェント管理に広げた。
韓国移動通信最大手のSKテレコムは10月26日、初の「AIガバナンスリポート」を公表し、社内のAIエージェントに社員番号を付与する条件や管理責任者、実行停止の仕組みを明らかにした。同社はプレスリリースで、AIマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC 42001の認証範囲を社内AIエージェントの管理体制にまで広げたと発表した。
ポイント
- 社員番号は別途の審査を通過したエージェントにのみ付与する。標準的な業務手順があり、成果を客観的に測定でき、人の介入なしに業務を完了できることが条件だ。
- 影響度や自律性の高いエージェントには、チームリーダーや役員などの担当者を必ず指定する。
- 2024年4月に取得したISO/IEC 42001認証を、今月、社内AIエージェントの管理にまで拡大した。

AIエージェントの社員番号、付与の3条件
リポートによると、社内エージェントは開発・テスト・運用・終了の各段階で管理される。開発前には、個人情報を扱うかどうか、処理の法的根拠があるかを確認する。
すべてのエージェントは開発段階で基本IDを受け取る。社員番号はその次の段階である。リポートが示す基準は三つで、標準作業手順(SOP)があるか、成果を客観的に測定できるか、人の介入なしに業務を完了できるかだ。
この構想は、6月にユ・ヨンサンCEOが「AXイノベーション2.0」として打ち出したものだ。韓国SBSは当時、AIエージェントが社員番号や所属部署、職務、アクセス権限を与えられると報じた。今回のリポートは、その運用ルールを初めて文書で示したものとなる。
担当者の指定、権限の段階化、実行停止
管理の厳しさはリスクに応じて変わる。社員1人を支援する影響度の低いエージェントはその社員が管理し、影響度や自律性の高いエージェントには担当者を別途置く。権限やデータへのアクセス範囲も業務への影響度と自律性の水準で決め、自律性が高いほど人による確認・承認を厳しくする。
社内の「Agent OS」は、エージェントごとのモデル、ツール、実行ログ、トークン使用量、バージョン履歴を追跡し、実行を停止させることができる。エージェントは定期評価で継続・調整・終了が判断される。評価は利用者・担当者による自己点検、能力評価、AI専門家の評価委員会で行い、結果は組織のKPIに反映されることもある。
ただし、リポートは同社が運用するエージェントの数や、社員番号を得たエージェントの数を明らかにしていない。
SKテレコムのAIガバナンス体制
個人情報保護とAIガバナンスは、最高プライバシー責任者(CPO)が統合して管理する。取締役会が主要なAI案件を最終的に審査し、取締役会のESG委員会が主要AIサービスの方向性・成果・リスクを審議する。2025年1月に開設した「AIガバナンスポータル」には、サービスごとのリスク評価、個人情報審査、技術点検の履歴が記録される。
同社のチャ・ホボムCPOは「AIエージェントの時代には、AIガバナンスの重要性がさらに高まっている」と述べた。
背景:AI基本法と信頼回復
リポートは、韓国のAI基本法が2026年1月22日に施行されてから約9カ月後に公表された。また、韓国の個人情報保護委員会がUSIM情報流出事故でSKテレコムに過去最大の課徴金(約9700万ドル)を科してから1年余りとなる。英IT媒体The Registerは、影響を受けた加入者を約2300万人と伝えた。
2023年12月に発行されたISO/IEC 42001は、組織のAIマネジメントシステムの要求事項を定めた国際規格である。業界では、AIエージェントが許可された範囲を超えて動く事例が相次ぎ、管理体制への関心が高まっている。
今後の見通し
SKテレコムは、AI技術と規制の変化に合わせて運用体制を引き続き高度化するとしている。リポートによると、ネットワーク・インフラまで範囲を広げたISMS-Pの拡大審査が9月に始まり、現在も進行中である。
よくある質問
すべてのAIエージェントが社員番号を得るのか。 いいえ。三つの基準による別途の審査を通過したエージェントのみだ。基本IDは開発段階ですべてのエージェントに付与される。
エージェントの行動に責任を負うのは誰か。 影響度の低い個人支援型は利用する社員、影響度や自律性の高いエージェントはチームリーダーや役員などの指定担当者である。
ISO/IEC 42001とは何か。 2023年12月に発行された、AIマネジメントシステムの国際規格である。
参考資料
- SKT, 'AI 트러스트 경영' 강화… 「AI 거버넌스 리포트」 첫 발간 — SKテレコム(2026年10月26日)
- SK Telecom AI Governance Report — SKテレコム(2026年10月)
- ISO/IEC 42001:2023 — Artificial intelligence management system — ISO(2023年12月)
- SK Telecom walloped with $97M fine after schoolkid security blunders let attackers run riot — The Register(2025年8月28日)
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