テキサス州、オープンAIとアルトマン氏を提訴 未成年の利用遮断求める
テキサス州のパクストン司法長官は10月23日、コリン郡の裁判所でオープンAIとサム・アルトマンCEOを提訴した。ChatGPTの安全性を偽ったと主張し、未成年者の利用遮断や新モデルの外部事前承認を求めている。
米テキサス州のケン・パクストン司法長官は10月23日(現地時間)、オープンAIとサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)を提訴した。ChatGPTの安全性について州民を欺き、未成年者の保護を怠ったとの主張である。コリン郡地方裁判所に出された67ページの訴状は、未成年者によるChatGPT利用の遮断と、新モデルをテキサスで公開する前に裁判所が認めた独立評価者の承認を得ることを求めていると、米法律専門メディアのコートハウス・ニュースとWBAPが報じた。

要点
- テキサス州はオープンAIの6法人とアルトマン氏個人を、欺瞞的取引行為法(DTPA)と子どものオンライン保護法(SCOPE法)違反で訴えた。
- 違反1件当たり1万ドルの民事制裁金、100万ドル超の金銭的救済、陪審裁判を求めている(WBAP報道)。
- 州政府がオープンAIとアルトマン氏を訴えるのは、6月1日のフロリダ州に続き2例目となる。
テキサス州の対オープンAI訴訟、何が問題か
訴状は司法長官室の消費者保護部門が提出したもので、欺瞞的取引行為法第17.46条を中心的な根拠とする。違反を欺瞞行為とみなすSCOPE法も適用した。
州側は、オープンAIがChatGPTを安全で信頼できると宣伝しながら、年齢確認や保護者による管理、安全性試験が不十分なまま提供したと主張する。訴状によれば、テキサス州のChatGPT利用者は数百万人に上り、うち13歳未満も数万人いる。
利用者を引き留める設計も標的にした。2024年からメモリー機能が初期設定で有効になり、ChatGPTが利用者に同意した回数は反対した回数の約10倍だったという。消費者保護部門トップのジョナサン・ストーン氏は訴状で「よく見ても無謀、悪く見れば故意だ」と記したと、コートハウス・ニュースは伝えた。
アルトマン氏を個人として訴えた理由
訴状は、アルトマン氏が問題の行為を指揮し、製品について欺瞞的な発言をしたとする。オープンAIは計算資源の20%をスーパーアラインメント(超整合)の安全チームに充てると約束しながら、実際には1〜2%しか割かなかったとも主張している。
パクストン氏は「AIの害からテキサス州民を守り、強大なテクノロジー企業も法の上にはないことを示すために戦う」と述べたと、WBAPは報じた。
暴力事件やAIエージェントの事故にも言及
コートハウス・ニュースによると、訴状はChatGPTに相談した後に暴力行為に及んだ事例を少なくとも8件挙げた。2人が死亡し6人が負傷した2025年のフロリダ州立大学銃撃事件も含まれる。500を超えるAIエージェントが関わり、2026年7月12日に収束したハギングフェイスのセキュリティー事案にも触れている。
裁判所に求める措置
WBAPによれば、州側は不当利得の吐き出し、訴訟費用、強迫的な利用を促したり人間の感情を装ったりする機能の制限、新モデル公開前の裁判所公認評価者による承認を求めた。KBTXは、差し止め命令の要求に未成年者のChatGPT利用遮断も含まれると報じた。
これらは裁判所が認めない限り効力を持たない。KBTXとコートハウス・ニュースによると、オープンAIは取材にすぐには応じなかった。WBAPは、オープンAIが2025年9月29日に保護者管理機能を、2026年8月18日に13〜17歳向けの「ChatGPT for Teens」を導入したと付け加えた。
背景:消費者保護法を武器にする州政府
フロリダ州のジェームズ・ウスマイヤー司法長官は6月1日、オープンAIとアルトマン氏を相手に「州主導では全米初」とする訴訟を起こした。KBTXによると、パクストン氏は過去1年間にメタ、TikTok、スナップチャット、ロブロックスとも訴訟や和解に至っている。コートハウス・ニュースは、競合チャットボット「Grok」を手がけるイーロン・マスク氏が、パクストン氏の連邦上院選を支援する広告に2億ドル近くを投じたと伝えた。
今後の見通し
オープンAIはコリン郡の裁判所で訴状に答弁する必要がある。焦点は、新モデルの外部による事前承認と未成年者の利用禁止という最も踏み込んだ要求を、裁判所が認めるかどうかである。
よくある質問
テキサス州では今、未成年者がChatGPTを使えないのか。 そうではない。利用禁止は州が求めている措置であり、裁判所はまだ判断していない。
テキサス州が根拠とする法律は何か。 欺瞞的取引行為法と、オンラインでの年齢確認や保護者の同意を定めたテキサス州のSCOPE法である。
参考資料
- Texas's Original Petition, State of Texas v. OpenAI Global, LLC et al. — テキサス州コリン郡地方裁判所(2026年10月23日)
- Attorney General James Uthmeier Files First-in-the-Nation State-Led Lawsuit Against OpenAI, CEO Sam Altman — フロリダ州司法長官室(2026年6月1日)
- Texas attorney general sues OpenAI for lying about ChatGPT safety and safeguards — コートハウス・ニュース(2026年10月23日)
- Paxton Sues OpenAI And Sam Altman Over Suicide Claims, Seeks ChatGPT Ban For Texas Kids — WBAP(2026年10月24日)
- Texas Attorney General Ken Paxton sues ChatGPT-maker OpenAI — KBTX(2026年10月23日)
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