AIエージェント実務テストGDPx、首位でも12点
セミアナリシスは11月2日、11の高付加価値分野・206課題でAIエージェントを評価するベンチマーク「GDPx」を公開した。Claude Opus 5.5が12.0で首位、Gemini 4 Carbon(10.9)とGPT-6 Astra(9.6)が続き、金融・法務課題ではほとんどのモデルが0点に近かった。
米半導体・AI調査会社のセミアナリシス(SemiAnalysis)は11月2日(現地時間)、チップ設計から法務文書の作成まで11の高付加価値分野で、AIエージェントの実務能力を測るベンチマーク「GDPx」を公開した。首位はアンソロピックのClaude Opus 5.5だったが、スコアは12.0にとどまった。

要点
- GDPx 1.0は14社の専門データ企業と作った206の課題で11分野を評価し、13モデルを順位付けした。
- Claude Opus 5.5が12.0で首位、グーグルのGemini 4 Carbon(10.9)、オープンAIのGPT-6 Astra(9.6)が続いた。
- セミアナリシスは、安全分類器の影響でOpus 5.5とGPT-6 Astraがサイバーセキュリティ・生物学・アライメント分野で点を落としたとしている。
GDPxベンチマークは何を測るのか
発表によると、対象分野はチップ設計、サイバーセキュリティ、生物学、金融、法務、クオンツ取引、再帰的自己改善(RSI)、ハードウェア設計、材料科学、アライメント、ソフトウェア工学である。政府・不動産・保険はあえて外した。
課題1件の標準の制限時間は8時間だ。各モデルは専用の実行環境(Opus 5.5はClaude Code、GPT-6 AstraはCodex)を使い、ない場合はオープンソースのOpenCodeを使う。スコアは3回試行したpass@1の平均で、各分野の比重は等しい。セミアナリシスは「GDPxは真の最先端級ベンチマークであり、最良のモデルでさえ12%にすぎない」と記した。
GDPxランキング:Opus 5.5、Gemini 4 Carbon、GPT-6 Astra
| 順位 | モデル | スコア |
|---|---|---|
| 1 | Claude Opus 5.5 | 12.0 |
| 2 | Gemini 4 Carbon | 10.9 |
| 3 | GPT-6 Astra | 9.6 |
| 4 | Muse Wonder Full | 9.0 |
| 5 | Claude Fable 5.1 | 8.5 |
以下、GPT 6.1 Solが8.4、DeepSeek 4.1 Flash 1017が5.4、Grok 4.7が3.9で、GLM 5.3が2.7で最下位だった。米メディアのユナイトAIは、課題1件あたりの平均コストをOpus 5.5が51.41ドル、GPT-6 Astraが53.99ドル、Gemini 4 Carbonが16.29ドルと伝えた。
セミアナリシスはOpus 5.5を「最高のオールラウンドモデル」と評価し、クオンツ取引・ハードウェア設計・チップ設計で首位だった。RSIと材料科学はGPT-6 Astra、生物学はGemini 4 Carbon、サイバーセキュリティはメタのMuse Wonder Fullが首位に立った。
安全分類器がスコアを押し下げた
同社は「Opus 5.5やGPT-6 Astraなど一部のモデルは、安全分類器のせいで総合スコアが低く出ている」と指摘した。これら3分野を除いた別のランキングも公開しており、そこでは順位が入れ替わる。
最も難しかったのは金融と法務である。著者らは「金融と法務の課題は難しすぎて、事実上すべてのモデルがちょうど0点だ」と書いた。11項目の確認がある金融課題では、25回の試行で完全に解いたモデルはなく、最高でも8項目の通過だった。部分点を与えるシリーズB投資契約書の修正課題では、Opus 5.5が平均44%、GPT-6 Astraが25%だった。
背景:GDPvalの後継を標榜
セミアナリシスは、オープンAIが2025年9月25日に公開したGDPvalについて、固定された非対話型の課題でありエージェント評価には時代遅れだと主張する。「課題ごとに分野別の模擬業務環境がないことが、GDPvalの最大の問題だ」とし、基準サンプルでの専門家同士の評価一致率も71%にとどまったと述べた。
コーディングに特化したリプリットのViBench 2.0では、最上位エージェントが65%のビルドを完全に通過しており、GDPxの低い天井とは対照的だ。
今後の見通し
公式サイトはリーダーボードを1.0版とし、「ライブ」と表示している。ただし課題の大半は非公開で外部による再現は難しく、これまでのスコアはすべてセミアナリシスと協力企業が実行したものである。
よくある質問
GDPxとは何か。
セミアナリシスが作ったベンチマークで、チップ設計、サイバーセキュリティ、生物学、金融、法務など11分野にわたる長時間のエージェント課題206件で構成される。
GDPxで首位のAIモデルは。
Claude Opus 5.5(12.0)で、Gemini 4 Carbon(10.9)とGPT-6 Astra(9.6)が続く。
なぜスコアがこれほど低いのか。
最長8時間の模擬業務環境で課題を実行し、金融・法務は厳しく採点されるうえ、機微な分野では安全フィルターが作業を止めることもあったためだ。
参考資料
- GDPx: Measuring Frontier Model Capabilities — SemiAnalysis(2026年11月2日)
- GDPx Leaderboard — SemiAnalysis(v1.0)
- SemiAnalysis Launches GDPx Benchmark Spanning 11 Agentic Domains — Unite.AI(2026年11月2日)
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